株式会社エマリコくにたち

拝啓、うまい!に背景あり

社長のBLOG

2022.09.11

ボンテツが売上を作る!

拝啓 東京農業を応援いただいている皆様

ほんとに、店舗ビジネスというものをやっていると、細かいところが気になってしまうもので。

たとえば、お店の電球がひとつだけ切れている、とか。
入り口の扉のガラスがきちんと拭けていない、とか。
飲食店ではメニューに税抜きなのか税込みなのかの表記がない、とか。

けれども、一方で、こんな程度のことが売上に影響するのだろうか?と思わないわけでもないです。

自分が消費者の立場だったとして、電球がひとつ切れているからといって、きびすを返してそのお店を去ったりはしないわけです。

しかし、「特別なスキルはいらない」かつ「細かい」ことを凡事と呼ぶわけですが、その積み重ねは、必ず売り上げに響いてくる。これは私の信念と言ってもいいです。逆に、きちんとやっている店は、売上が伸びてくる。

結局のところ、「最高の状態でお客様を迎えよう」という気持ちがあれば凡事は徹底されるはずだし、その気持ちがあるかどうかはジワジワとお客様に伝わっていくものだからです。
あと、お客様だけではないですね。アルバイトさんに健全な緊張感が生まれる。これが大きい。

副次的効果として、凡事徹底をしようとするとおのずとオペレーションが整理されるので、作業が効率化されるというのもあります。(たとえば電球を誰がいつ発注するのかという整理が生まれる。)

そこで、エマリコくにたちでは、凡事徹底、これを略してボンテツと呼びまして、企業内スローガンとしています。
ボンテツ、ビジネスの世界の共通用語だと思っていたのですが、ググってみるとうちのオリジナルだったみたいです。経営者のみなさん、ぜひ使ってくださいね。

めちゃめちゃこだわりの強いラーメン店の店主は凡事徹底をしっかりしていると思いますが、真剣すぎて顔がこわばってしまっては、エマリコの企業文化とは合いません。若いアルバイトさんがついてこれないし。
そこで、ちょっと軽いイメージにするのに、ボンテツっていい言葉だなと、手前味噌ですが思っています。

ただ、まあ、呼び方はともかく、凡事徹底を完遂するのは、本当に難しい。

ボンテツをちゃんとやるのが難しいのは、すぐに売上に影響してこないからです。ひとつやふたつ、足りないところがあってもどうということはないし、完璧にやったとして明日すぐに売上が上がるわけでもない。
売上をすぐに上げたいなら、新聞折り込みを入れた方がよほど効果的です。

この手の「ジワジワと効いてくる」ものについては、「業績が上がったら評価される」という仕組みを導入してもけっして徹底されないのです。
仕組みではなく、企業文化の出番、ということになります。
エマリコでは、組織のモットーのなかに「凡事徹底」があります。

それから、エマリコでは、店長どうしが他のお店のQSCチェック※をするという取り組みをやっています。
(※Quality, Service, Cleanlinessの略)
自分のお店のことは盲目になりやすいので、他のお店を定期的にチェックすることで客観的な視点を持つことができます。「あ、自分の店もできてないな」という気づきが生まれてきます。

とまあ、いろいろ考えながら、とにもかくにもボンテツを企業文化として浸透させるのは経営者の仕事。
なかでも、経営者自身がボンテツをやっているかどうか、その背中を見せていることが一番大事。
なので、今日も明日も、ひたすらボンテツに励んでいます。(でも、顔はこわばらせないようにしないとね。)

菱沼 勇介(ひしぬま ゆうすけ)
プロフィール

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株式会社エマリコくにたち代表取締役。
1982年12月27日生まれ。
農地のない街・神奈川県逗子市に育つ。
一橋大在学中に、国立市にて空き店舗を活かした商店街活性化活動に携わる。2005年に一橋大商学部卒業後、三井不動産、アビーム・コンサルティングを経て、国立に戻る。NPO法人地域自給くにたちの事務局長に就任し、「まちなか農業」と出会う。2011年、株式会社エマリコくにたちを創業。一般社団法人MURA理事。東京都オリジナル品種普及対策検討会委員(2019年度〜2021年度)。

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