株式会社エマリコくにたち

拝啓、うまい!に背景あり

社長のBLOG

2018.11.24

割り切れ、東京野菜

拝啓 東京農業を応援いただいている皆様

先日、食と地域がテーマのコワーキングスペース”Root Root”※での交流会で、『東京野菜』の拡販に取り組んでいる仲卸企業・大治の堀将人さんがこんなことを言っていました。

「青果市場のシステムは減点方式です。」

なるほどな、と思いました。
市場では、少し傷があったり、サイズがまちまちだったりすると、大きく価格を下げてしまいます。

大治さんは、地元農家と直接取り引きする場合には長所を見つけて推奨していく、つまり加点方式が大事とおっしゃっていて、まさにその通りだなあ、と感じました。

その点、当社の取り組みはまだまだ中途半端なところがあります。
23区内での販売は始めたばかりなので、まさに成長途上ではありますが、市場経由の商品(レール物と呼ばれる)との差別化をきちんとできていない。

市場経由が減点方式なら、こっちは加点方式を徹底して、お客様には品物の良いところに目を向けていただけるように仕向けていかなくてはいけません。

いろんなサイズのものがあったり、やや規格が不ぞろいだったりしますが、鮮度は抜群だしトレーサビリティも万全なわけですし、なにより農家さんが10人いれば、10個の違った良さがある――それを伝えるのが、エマリコが掲げる『背景流通業』ということになります。

同じ交流会で、伝統種・江戸東京野菜を栽培している八王子の福島秀史さんは、「うちの野菜は、万人に受ける必要はない」と明言していました。

万人に受けようとするから減点方式になっちゃう。
センター試験と同じですね。みんな同じ土俵で評価しようとしたら、どうしても減点式になる。

でも、センター試験でなくて、AO入試だってある。
一部のコアな人に評価されればよい、ということです。

問題はその割りきりをきちんとできるかどうか。
色々なご意見をいただくと、どうしても弱気になってしまいますから。
目の前の売上目標もどうしても気になりますしね。

(このあたり、ブルーオーシャン戦略にも通じるものがありますね。
ブルーオーシャン戦略のテキストにある典型ケースは『QBハウス』ですが、QBハウスでは「顔も剃ってよ!」というお客様の意見は当然ながら無視されます。)

ということで。
東京野菜の流通ベンチャーとしても、
「うちはここがウリなんだ!文句あっか!」
と、堂々と宣言する会社、流通の仕組みにしていきたいと思います。

※ 食と農のコワーキングスペース「Root Root」(赤坂見附)のご案内はコチラ

菱沼 勇介(ひしぬま ゆうすけ)
プロフィール

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株式会社エマリコくにたち代表取締役。
1982年12月27日生まれ。
農地のない街・神奈川県逗子市に育つ。
一橋大在学中に、国立市にて空き店舗を活かした商店街活性化活動に携わる。2005年に一橋大商学部卒業後、三井不動産、アビーム・コンサルティングを経て、国立に戻る。NPO法人地域自給くにたちの事務局長に就任し、「まちなか農業」と出会う。2011年、株式会社エマリコくにたちを創業。一般社団法人MURA理事。東京都オリジナル品種普及対策検討会委員(2019年度〜2021年度)。

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