社長のBLOG
拝啓 東京農業を応援いただいている皆様
今日、社内の会議で、学生インターン2名がふたりとも長ネギの頭が飛び出たビニール袋を持っていました。
「電車のなかで匂いがしてないかな、と心配でした」と笑ってました。
この長ネギは、午前中に国分寺中村農園さんに援農に行って、そのとき頂戴したものだそうです。
この援農は、体験型プログラム「イートローカル探検隊 援農部」の活動の一環です。
この1月から3月まで、イチゴやトマト、ニンジン、長ネギなどの収穫や手入れを交代でお手伝いしているのは、一般参加の市民の方と当社インターン、あわせて10名ちょっとの”隊員”たちです。
(なお、ご存じの方が多いと思いますが、国分寺中村農園は地産地消プロジェクト「こくベジ」や赤坂見附の東京農業発信施設「東京農村」を推進している、東京農業の中心的存在です。)
農家の中村さんからは、「この時期は忙しいので、しっかり働いてもらいます」ということで、隊員一同、けっこうちゃんと汗をかいています。
でも、援農って、けっこう楽しいんですね。それが黙々とやる作業であっても。
1回あたり3時間くらい畑に滞在するのですが、あっと言う間に時間が経ってしまうと、隊員のみなさんはおっしゃいます。
「イートローカル探検隊 援農部」の参加費は、1.5万円、です。
しょうじき、援農する側からお金を頂戴するという新しい取り組みに抵抗感がなかったわけではありません。
でも、援農はやってみるとかなり楽しいですし、友達もできる。野菜の知識も増える。
そして、何よりこれは、”まちなか農業の入り口に立つチケット”なのだと考えています。
まちなか農業、あるいは地元農業は、いま、なかなか注目されている分野です。
けれども、住んでいるところのすぐ近くになるのに、どこから入っていいのか分かりません。
いつもの散歩道で、畑があるなあ、美味しそうだなあ、とは思うけど、それ以上は近寄ることができない存在。
入ってみると、こんなにも楽しく、美味しく、興味深いところなのに……!
「イートローカル探検隊 援農部」に入ったとたんに、農家さんと知り合えるだけでなく、いきなり農家さんに頼りにされてしまう。そういうチケットです。
さらには、もしかしたら、地元の街に愛着が湧いたり、誇りを持てたり、そういうオマケもこのチケットには付いているかもしれません。
遠くのテーマパークも楽しいですが、ものすごく近所にワンダーランドはあるのです。
それを、農家さんに迷惑のかからない形で、多くの市民に開放していきたい。
それがエマリコくにたちがいま考えていることです。
株式会社エマリコくにたち代表取締役。
1982年12月27日生まれ。
農地のない街・神奈川県逗子市に育つ。
一橋大在学中に、国立市にて空き店舗を活かした商店街活性化活動に携わる。2005年に一橋大商学部卒業後、三井不動産、アビーム・コンサルティングを経て、国立に戻る。NPO法人地域自給くにたちの事務局長に就任し、「まちなか農業」と出会う。2011年、株式会社エマリコくにたちを創業。一般社団法人MURA理事。東京都オリジナル品種普及対策検討会委員(2019年度〜2021年度)。