社長のBLOG
拝啓 東京農業を応援いただいている皆様
私、今年度は第3次国立市農業振興計画の審議委員をやっておりました。
↓目下、パブリックコメント中なので、ぜひご意見をお願いいたします(1月17日マデ)↓
http://www.city.kunitachi.tokyo.jp/comment/h28/1482372763757.html
近隣の他市のものも見たりしましたが、このテの計画はなかなか地域の特性が出ないものです。似たり寄ったりになっています。というのも、行政がとある施策Aの予算を獲得するのに、もし施策Aが計画にまったくないと予算を付けにくくなるということで、どうしても総花的な内容になってしまうのが常なのだそうです。
そういうなかで、今回の計画では、「優先的に取り組むテーマ」を作りまして、なんとか多少なりともメリハリを出そうと苦心しています。
国会で都市農業振興基本法が成立し、都市農業を守ろうという風が吹き始めているこのタイミングでの農業振興計画、とても大切なものだと認識しています。生産緑地の貸借などが緩和されることが強く期待されている状況ですので、基礎自治体が作る今後数年間の計画もその動きを踏まえたものにしておく必要があります。
具体的には、農地を情熱ある生産者やNPO法人にあっせんする仕組みづくりが考えられます。
この審議会でたびたび話にあがっていたのは、都市農業保全は「まったなし」だということ。いま中心的な担い手の方々が大量に引退する時期が近づいているのです。
その意味で、ぜひ多摩地域の各自治体に強く具申したいことは、農業振興の担当部署の人員を増強してほしいということです。
正直、農業は大きな産業ではないので、職員をたくさん張り付けるのはコスパが悪いかもしれません。しかし、いちど宅地になった農地は二度と戻ってはきません。50年、100年後のことを考えて、都市農業振興基本法が成立したこのタイミングで、優秀な人材を農業振興にぜひ振り向けていただきたいのです。
計画がいくらよくても実行できる体制がなくては意味がありません。
貴方の街の農業振興担当者は何名ですか? ぜひ調べてみてください。
※ 学生インターンシップ、募集中です! ※
https://emalico.com/recruit/
株式会社エマリコくにたち代表取締役。
1982年12月27日生まれ。
農地のない街・神奈川県逗子市に育つ。
一橋大在学中に、国立市にて空き店舗を活かした商店街活性化活動に携わる。2005年に一橋大商学部卒業後、三井不動産、アビーム・コンサルティングを経て、国立に戻る。NPO法人地域自給くにたちの事務局長に就任し、「まちなか農業」と出会う。2011年、株式会社エマリコくにたちを創業。一般社団法人MURA理事。東京都オリジナル品種普及対策検討会委員(2019年度〜2021年度)。