株式会社エマリコくにたち

拝啓、うまい!に背景あり

社長のBLOG

2017.01.01

衝撃のキャンセル電話~飲食店のこと

拝啓 東京農業を応援していただいている皆様

飲食店関係の知り合いが増えてきたおかげで、こんなツブヤキが私のタイムラインによく流れてきます。とくに12月に。

「突然の予約キャンセル…。ショック!!!」

個人経営の飲食店さんは、ひとつひとつの料理に対して、あるいはひとつひとつの予約に対して心を込めて準備しています。ですから、予約が突然キャンセルされる、連絡があればまだいいですが、何の連絡もなく現れない、ということになると悲しい気持ちになったり、怒り心頭になったりもやむを得ません。

それが、12月の祝前日などの稼ぎ時の予約だったとしたら、その裏にはお断りした予約がたくさんあるわけで、小さなお店なら経営が傾きかねないほどの大事件です。

最近は、キャンセル料規程を設けてそれを伝えるとか、予約はネット経由に限る、といったキャンセル防止ノウハウが飲食店業界を巡っています。

しかし、『くにたち村酒場』では、幸いなことに、「何の連絡もなくお客さまがお越しにならない」ということは、これまでほとんどありませんでした。

理由はよく分かりませんが、まさに店名にあるように、くにたち「村」のお店だからではないでしょうか。

狭い商圏のなかで地域に密着しているお店なので、連絡もなくキャンセルすると、あり体にいえば「後が怖い」笑。

本当によいお客様に恵まれているので、キャンセルするにしても「本当にすみません。またうかがいます」と丁寧に謝っていただける。そんな方々から、サービスをいっさい提供していないのに、キャンセル料を取るなんてできません。

逆に、キャンセル料の規程があると、連絡しないパターンや「予約してない」とシラを切るパターンが増える可能性すらあります。そんなことがあれば、ただただ、スタッフのストレスが溜まります。たしかに、食材や仕込みの手間は無駄になったり、他の予約を断ったりしていますけど、また来てくれれば、それでいいんです。

うちが目指しているのは、あくまで「村の食堂」なので。村の食堂にキャンセル料規程は普通、ありません。

「よいお客様」がキャンセルされるのには、いろんな理由があります。何かのお祝いの会で主役が風邪をひくこともあります。交通機関の混乱もあります。

もし、貴方がくにたち村酒場の予約をキャンセルして、その理由が「奥様が産気づいた」ということであったら。。。

店に電話する暇があったら、早く病院に行ってあげてください。店への電話は、事後報告で大丈夫。

そしてお電話の際には、キャンセルの理由もぜひお話くださいね。そうしたら、次にご来店の際に、出産祝いのワインを謹んでご用意させていただきますから。

ということで、今夜も乾杯!

※今夜の一杯※ 『多摩の恵 ペールエール』 ~やわらかい香り。作り手の石川酒造は明治時代にビール醸造に挑戦した歴史を持つ。『くにたち村酒場』ではドラフトで提供。

菱沼 勇介(ひしぬま ゆうすけ)
プロフィール

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株式会社エマリコくにたち代表取締役。
1982年12月27日生まれ。
農地のない街・神奈川県逗子市に育つ。
一橋大在学中に、国立市にて空き店舗を活かした商店街活性化活動に携わる。2005年に一橋大商学部卒業後、三井不動産、アビーム・コンサルティングを経て、国立に戻る。NPO法人地域自給くにたちの事務局長に就任し、「まちなか農業」と出会う。2011年、株式会社エマリコくにたちを創業。一般社団法人MURA理事。東京都オリジナル品種普及対策検討会委員(2019年度〜2021年度)。

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