社長のBLOG
拝啓 東京農業を応援いただいている皆様
年末が迫ってきました。
(いきなりですがここでCM。笑)年末の恒例行事、国立の老舗『亀製麺』の年越しそばをしゅんかしゅんか各店にて販売します。お見逃しなく!!
さて、注目している人は少ないと思いますが、NFL(全米アメフト)のシーズンも佳境になっています。
NFLの面白さについては、おいおい書きたいなと思っているのですが、今回はアメフトにおけるクイックネスとスピードの違いについて。
日本語にすると、クイックネスとスピードはどちらも「はやさ」です。
が、これは明確に違う概念です。
スピードというのは、いわば馬力。50メートル何秒といった指標で表される、直線距離をどれだけ短時間で走れるか。もちろん、アメフトの選手にこれは重要な資質です。
しかし、クイックネスの方がより重要だ、というのは常識となっています。素早さ、ですね。
アメフトは、QB(クウォーターバック)が投じたボールを取るWR(ワイドレシーバー)というポジションがありますが、WRは執拗にマークしてくる敵の守備選手を引き離さないとボールをキャッチできません。
敵を引き離すのには大別すれば、圧倒的な速度でぶっちぎるか、細かいステップで相手をまくのか。
たいてい、たくさんのキャッチを実現するのは後者のタイプのWRです。行くと見せかけて止まったり。右に行くと見せかけて左だったり。相手をほんろうするイヤなプレーヤーです。
直線距離の速さだけなら陸上選手をドラフトした方がいいわけですが、そういうことにはならない。それは、サッカーやバスケでも同じでしょう。
で、企業経営において、スピード(馬力)とクイックネス(素早さ)のどちらが大切か、という問いもあるわけです。
これからの時代、なんとなくクイックネスがより重要になってくるのではないか、と思っています。あくまで、なんとなく、ですが。
経済成長一直線のときは馬力こそが経営力だったのでしょうが、これからの人口減少社会は経済自体の成長は難しいですし。
話が変わるようですが、「さんだるきっちん」という飲食店が中央線沿線にありまして、今年2号店(西荻窪)が開業しました。
「さんだるきっちん」さんは、我が社から東京野菜を仕入れいただいてもう4年くらいになります。
(参考)http://food-stadium.com/headline/21596/
※FOOD STADIUMのヘッドラインより
そのお付き合いは、社員の佐藤が阿佐ヶ谷の1号店に行って店員さんと仲良くなったことから、野菜を使ってもらって、それからずっとのお付き合いです。
当時は飲食店向けの商品発送などしていなかったのですが、佐藤が自分で始めました。いい意味で「勝手に」。
そして、いまも他のスタッフが引き継いで納品しています。
当社には、組織づくりの3つのモットーというのがあり、「自由」「信頼」「情報共有」というのがそれなのですが、可能性がありそうなことはやってみるという「自由」は大事なことだと思います。
これがクイックネスの土台になる。
組織がごくごく小さいうちは、社長のあっちだこっちだという号令で素早く動けばよいのですが、組織が大きくなってくると右に行こうとしてから左に行くといちいち遠心力が働いてうまくいかない。
なので、組織が大きくなるとおのずと馬力(スピード)重視の経営になってきます。
それはそれで悪いことではないのですが、組織にクイックネスを求めるなら、社長自身の素早さよりも、スタッフひとりひとりの自由な働きがより重要です。
もうひとつ、自由な社風と同時に、人的なネットワーク、コネクションもクイックネスを高めるために大事です。
最近ベストセラーになった『LIFE SHIFT』には、平均寿命100歳の我々世代は「変身資産」が大切だ、と書いてあります。
人生一直線では生きられない、途中で変わることが大切。つまりは個人もクイックネスが大事。
そして変わるための資産として大事なもののひとつに、人的なネットワークがあげられています。
これは企業も同じ。
「さんだるきっちん」さんとのお付き合いも、ちょっとした人的なつながりからでした。
社外の人とのつながりがないと、素早く動こうにも、きっかけが生まれません。
社長の人脈だけでは限界があります。スタッフひとりひとりが外部とのつながりを持っていることは企業にとってとても大事なことです。
(このあたりは、近ごろ副業に寛容な会社が増えていることとも関係がありそうです。)
さて、エマリコくにたちでは、さらに外部とのつながりを増やし、クイックネスを高めるべく新しい施策を準備しています。
その全貌はおってこちらで発表したいと思います!
お楽しみに。
では、よい年を。
株式会社エマリコくにたち代表取締役。
1982年12月27日生まれ。
農地のない街・神奈川県逗子市に育つ。
一橋大在学中に、国立市にて空き店舗を活かした商店街活性化活動に携わる。2005年に一橋大商学部卒業後、三井不動産、アビーム・コンサルティングを経て、国立に戻る。NPO法人地域自給くにたちの事務局長に就任し、「まちなか農業」と出会う。2011年、株式会社エマリコくにたちを創業。一般社団法人MURA理事。東京都オリジナル品種普及対策検討会委員(2019年度〜2021年度)。