株式会社エマリコくにたち

拝啓、うまい!に背景あり

社長のBLOG

2017.09.04

向き不向き

拝啓 東京農業を応援いただいている皆様

農業や当社と何の関係もないですが、サッカー日本代表がW杯出場を決定しました。
おめでとうございます!

(日本代表戦の夜は飲食事業の売上が下がるという意味では、無関係ではないか?)

で、勝ったことは勝ったけど、報道によるとハリルホジッチ監督の戦術スタイルが日本として目指すサッカーに合っているのかという疑問がくすぶっているのだそうです。
ハリルホジッチ監督はたしかに優秀だが、「水回りを直したいのに電気屋さんを呼ぶ」ようなものだと、とあるスポーツライターは書いています。

サッカーの戦術のことはよく知りませんが、やはり、サッカー監督とひとくくりにしても色々で、各々できる戦術とできない戦術がある、ということはあるでしょう。

「プロ経営者」というのが増えている、という話があります。プロ経営者とは、純粋な経営の手腕を買われて、業界を移り歩く人です。しかし、やはりいくら優秀な「プロ経営者」でも、向き不向きはあるでしょう。その業界に向いているかどうか、その社風に合っているかどうか、とか。それ以上に、リストラ局面なのか、拡大局面なのか、も大きいかもしれません。
その会社にマッチするかどうかは、サッカーの監督を選ぶより、考慮すべき点は多そうな気がします。

そこのところでいくと、我々創業者は自分で積極的に選んではいない。
少なくとも、誰かが「検討」して「指名」してくれたわけではない(笑)。

いや、大枠では業界を選んでいることは多いとは思います。しかし、いざビジネスの海原へ出発した会社の針路は、自分のスキルに対しての向き不向きよりも、その時の状況や、どんな商談が外から持ち込まれたか、財務、手持ちの人材といったことに左右されます。

先のスポーツライターさんの言葉を借りれば、自分が電気屋だろうが植木屋だろうが、水回りが必要なら水回りをやるしかない、という状況になっていく。

しかし、突き詰めていくと、経営者が向いていない業界や社風では成長できる確率はかなり下がるでしょう。とすると、経営者自身は自分の向き不向きを分析し、それを会社の針路を考えるときに踏まえなくてはなりません。

という風に、第3者的に書いたのですが、んーー、じゃあどうするんだとなると、実際には難しいですね。迷います。

その理由のひとつは、そもそも自分のことを正確に分析できるのか、ということ。

そして、Aの方に行くと利益が大きそうだという時に、いや俺はそれは向いてないからやらない、と決断できるかという課題。
それは、他の経営者も同じだと思うのですが、始めてみたら意外と向いていたとか、あるいは従来と違う分野をやることですごく勉強になったとか、やっぱりあるわけで。

最後に、向き不向きと好き嫌いを混同してしまいそうだ、という課題。
もちろん経営者自身が嫌いな分野をやり続けるのは厳しい。デメリットが多方面に及びそうです。
かといって、好きなのと向いているのとは違う。父親のゴルフを見ていれば一目瞭然。
が、経営のスキルはゴルフと違って数値化できないので、「好き」を「向いている」と勘違いしてしまう危険があります。

んーー。

これは、じっくり考えても難しい。

いずれにしても、そのように考えると、経営者はひとつの分野での飛びぬけた才能よりも、幅の広さは大事だとは思います。
「水回りも電気回りも好きだし、とくだん苦手ではないよ」という風な。

とりあえず、模索期としている2018年度までは、いろいろとやってみたいと思っています。
その中で、私としての、あるいはチーム・エマリコくにたちとしての、向き不向きが見えてくるのではないかと期待して。

私には飛びぬけた才能は皆無ですが、柔軟性は高い方だと思います。嫌いなことは少ないという意味で。
んーー、たぶん。

※ てなところで、いま当社では、直売所事業、飲食店事業に次ぐ柱として、スーパー向けの卸売販売が伸びています。今月に新規開業した京王ストア多摩センター店様の地元野菜コーナーにも野菜を納入しております。

菱沼 勇介(ひしぬま ゆうすけ)
プロフィール

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株式会社エマリコくにたち代表取締役。
1982年12月27日生まれ。
農地のない街・神奈川県逗子市に育つ。
一橋大在学中に、国立市にて空き店舗を活かした商店街活性化活動に携わる。2005年に一橋大商学部卒業後、三井不動産、アビーム・コンサルティングを経て、国立に戻る。NPO法人地域自給くにたちの事務局長に就任し、「まちなか農業」と出会う。2011年、株式会社エマリコくにたちを創業。一般社団法人MURA理事。東京都オリジナル品種普及対策検討会委員(2019年度〜2021年度)。

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