株式会社エマリコくにたち

拝啓、うまい!に背景あり

社長のBLOG

2024.11.18

山道を歩くパーティが素晴らしかった話

拝啓、東京農業を応援いただいている皆様

いきなり宣言したいと思います。

エマリコくにたちは、「第2創業期」に入ります!

これまでいろんな失敗もあり(大失敗を含む)、コロナ禍もあり、組織変更もあり。
なかなか平坦ではない山道をどうにか進んできましたけれど、今年度に入って山道が砂利道くらいにはなってきたように思います。たぶん、気のせいではなく。
課題はもちろんあるけれど、ちょっとアクセル踏める路面になってきたように思います。

ということで、ここからさらに飛躍するために、「第2創業期」と社内に宣言しています。

具体的には「しゅんかしゅんか」モデルを他地域に展開をしていこう、ということです。

将来的な目標としては、多摩エリアには30の自治体がありますが、その8割以上の街から農産物を集荷する体制を作っていきたいと思っています。
オール多摩エリアのネットワークですね。
これを目指します。

さて、第2創業期ということですが、振り返って、第1創業期とはなんだったのか?なぜ山道でもやってこれたのか?

いろいろ考えるにつけ、「幹部」が揃っていたことは大きな要因のひとつでした。
うちの役員陣は私も含めて4名ですが、ほんとうに素晴らしいメンバーです。
うちくらいの規模の会社で、この4名が揃っていることは、稀有中の稀有だと推測しています。

いま手元に『小さな会社の幹部社員の教科書』(井東昌樹著)という本があります。
この帯には、「社長の99%が幹部社員に不満を持っている。」と大書してあります。

まあ、99%はさすがに大げさでしょうし、逆に幹部社員の99.99%が社長に不満を持っているんじゃないか?とも思いますが(笑)、いずれにしろ優秀な幹部がいないという課題は多くの企業が抱えていることでしょう。

この本は幹部社員に向けて書かれたものなのですが、社長が幹部社員に足りないと思う典型的な要因がいくつか書かれています。

(1)全体を見られない
(2)自律的に動けない
(3)「数字力」がない

また、幹部社員に必要なマインドセットも3つ指摘されています。

(1)覚悟と責任感を持つ
(2)常に考え続ける
(3)会社の最後の良心となる

良心、が出てくるのが深いですね。

今日はここからのろけ話を書くのですけども、私は役員陣に、これらの要件について不満を持ったことがないです。
ひじょうに恵まれた会社です。

創業時は、私と大学の1学年後輩の渋谷、それに妻の3名。2017年から飲食店を統括している吉田が加わりました。

吉田の加入は大きな分岐点で、彼は山登りが趣味なんですが、会社の山道、崖道も彼がいてなんとかサバイブできました。現在も、飲食店事業はいろいろな角度から当社を支えています。

吉田は典型ですが、役員全員が現場力最強なんですね。それでいて全体の戦略も考えらる。人格もいい。そういう人、なかなか見つけられないです。
あ、もとい、「現場力最強」のところは私は除外してください。

渋谷は、農家の窓口という役割が外からは見えていますが、社内的にはブレーンそのものです。
数字力があるし、外部の情報もいろいろ引っ張ってくる。案外馬力もある。
たんなる大学の後輩ではなく、サークルもゼミも同じで、さらには社会人になってからも経営の勉強会を一緒にやっていました。
サークルは国立市内の空き店舗活用のサークルで、ゼミは経営戦略の大家である伊丹敬之先生です。

当社の組織運営のモットーは、創業以来一貫していて、「自由」「信頼」「情報共有」です。
この3つのモットーを掲げている企業はほかにないと思いますが、これは伊丹先生の著書『場の戦略とマネジメント』に出てくる概念です。
あまり知られていないこの概念のすごさを全世界に自慢したいのですが、それはまた別のハナシ。

話をもとに戻すと、渋谷とはベースになる考え方が基本的に一緒です。価値観のすり合わせがほぼ必要ない。
妻も入れれば3名が一緒なわけで、このことがもたらす推進力は大きいです。
価値観のすり合わせほど時間を要することはないのです。

妻の菱沼茉莉子は対外的には「くにたち村酒場」の女将、という感じだと思いますが、店舗運営がめちゃ上手で、「アンテナショップPonte」の事業承継もやりきりました。
アルバイト教育が上手だし、作業の効率化もうまい。

とまあ、身内への賞賛が止まらなくなってきたので、このへんにしておきましょう。

そこに社員も優秀ときたものだからね。
あ、アルバイトもインターンもすごいよねえ!

あれ?そしたらこの会社の弱点って、もしかして社長なのでは?

……。(聞こえないふり)

とにかく、なんとか第1創業期を乗り切った。
役員のみんなに感謝!!、です。
もちろん、社員のみんな、アルバイト、インターンのみんなにも。

ここからは、砂利道を、ガンガン進んでいきますよ。

そのうち高速道路に乗りたいけどね。なんなら自動運転の車でね。

菱沼 勇介(ひしぬま ゆうすけ)
プロフィール

Photo

株式会社エマリコくにたち代表取締役。
1982年12月27日生まれ。
農地のない街・神奈川県逗子市に育つ。
一橋大在学中に、国立市にて空き店舗を活かした商店街活性化活動に携わる。2005年に一橋大商学部卒業後、三井不動産、アビーム・コンサルティングを経て、国立に戻る。NPO法人地域自給くにたちの事務局長に就任し、「まちなか農業」と出会う。2011年、株式会社エマリコくにたちを創業。一般社団法人MURA理事。東京都オリジナル品種普及対策検討会委員(2019年度〜2021年度)。

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