株式会社エマリコくにたち

拝啓、うまい!に背景あり

社長のBLOG

2021.01.11

「おまんのモノサシ」を探す

拝啓 東京農業を応援いただいている皆様

あけましておめでとうございます。今年も引き続き、よろしくお願いいたします!

さて、尊敬するデザイナーに梅原真さんという方がいまして。
高知県の”1次産業デザイナー”です。2度ほどお会いしたことがあります。

「農林漁業にデザインで経済力を与える」が口癖とか。
その梅原さんを紹介した本に『おまんのモノサシ持ちや!』(篠原匡著・日本経済新聞出版社)というのがあります。
この本は机の脇にずっと置いてあるんですが、このタイトルの言葉が妙に引っかかっています。

私のモノサシってなんだろう?
――いつもそう思っています。

不惑の40歳って言いますけど、もう数年したら、私も惑わなくなるんでしょうか。。。
このブログを月2回欠かさず書いているのも、モノサシ探し的な意味合いがあります。(お付き合い、ありがとうございます。)

4月になりますとエマリコは創業して丸10年です。会社としても「不惑の10周年」といきたいところです。
新しいプロジェクトも胎動しています。いずれお知らせできると思います。

会社のモノサシっていうのとちょっと違うのですが、ちょうどこの『おまんのモノサシ持ちや!』に出てくる会社がエマリコくにたちのひとつの目標となっています。
四万十ドラマさんというのがその会社の名前で、5年くらい前に『カンブリア宮殿』にも出ていましたが、四万十という”辺境”において、ローカルの良いものをどんどん発掘してどんどん売っていく地域商社としての役割を果たしています。
http://shimanto-drama.jp/

同書によれば、第3セクターとしてスタートしましたが、地域の人たちに株式を売却して完全民営化しているのこと。当社エマリコくにたちも、スタートの形態は違いますが、株式を地域の多くの方に持っていただいている地域活性化企業ということで形態が似ているんです。
あと、似たような会社に島根の株式会社吉田ふるさと村もあります。
地元のみなさんの出資で、地元の産品を売り、地元の雇用を生む。
そんな会社になりたいと思っています。

その四万十ドラマのコンセプトは、「ローカル、ローテク、ローインパクト」。
以下、同書から引用。
『「ローカル」とは、四万十川を共有財産に足元の豊かさや生き方を考えること。「ローテク」とは、地元の素材や技術、知恵を活かした第1~1.5次産業にこだわること。「ローインパクト」とは、四万十川に負荷をかけずに活用する仕組みを作ること。』

これも素晴らしいモノサシなのではないでしょうか。

モノサシっていう言葉の持つニュアンスは、「定規」「目盛り」ですから、単なる理念ということではなくって、測れる、メジャーできる、ということです。
抽象化しすぎた理念だと、「それはそうだよね」ということになってしまう。
「実際の事業をどうしていくのか?」という具体的な場面で使うことができる。それがモノサシです。

逆に言うと、具体的なモノサシは、場合によっては周囲の反対をひき起こすこともあるでしょう。それでも曲げない。
だから、”おまんの”なのです。
モノサシは簡単には曲がらない。ふにゃふにゃの巻き尺ではないわけですね。

10周年を機に、会社のモノサシをもっとしっかりさせたいと思います。

最後に宣伝ですけど、「しゅんかしゅんか」「のーかる」では四万十ドラマさんから生姜を仕入れております(高知は生姜の名産地です)。
ぜひお試しください。

菱沼 勇介(ひしぬま ゆうすけ)
プロフィール

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株式会社エマリコくにたち代表取締役。
1982年12月27日生まれ。
農地のない街・神奈川県逗子市に育つ。
一橋大在学中に、国立市にて空き店舗を活かした商店街活性化活動に携わる。2005年に一橋大商学部卒業後、三井不動産、アビーム・コンサルティングを経て、国立に戻る。NPO法人地域自給くにたちの事務局長に就任し、「まちなか農業」と出会う。2011年、株式会社エマリコくにたちを創業。一般社団法人MURA理事。東京都オリジナル品種普及対策検討会委員(2019年度〜2021年度)。

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