株式会社エマリコくにたち

拝啓、うまい!に背景あり

社長のBLOG

2025.08.24

夏の暑さが、僕らの決意を強くする

拝啓 東京農業を応援いただいている皆様

暑い!とにかく暑い!
私も中学・高校時代に野球部で、夏休みも練習や試合がありましたけども、こんなに暑かったら部活やめてたかもしれません。。。
(しかし、今日の甲子園の決勝はナイスゲームでした。西東京代表の日大三高惜しかったですね)

部活もそうですが、仕事や生活のいろんな面の生産性を下げてしまうので、この暑さはなんとかしたいところです。
もちろん、畑の状況もひじょうに悪いです。こんな暑さのなか出荷いただいている農家さんには、ほんとうに感謝ですね。

さて、近年の暑さについては、CO2による気候変動が原因ということにされています。

しかし忘れてはいけない視点があります。都市化です。

先日、PIVOTで、エネルギー・環境研究者の杉山大志氏(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)が話していました。
https://pivotmedia.co.jp/movie/13273

CO2による温暖化の影響は確かにあるけれども、「30年で0.3度の影響度しかない」と断言していました。それで考えると、このところの急上昇は説明できないですよね。
よくよく考えれば、温暖化は徐々に進むものです。
それなのに、近年の酷暑について言及するとき、政治家もマスコミも、「気候変動で……」という枕詞を付けてしまう。間違ってはいないけど、不正確なのです。

このところの急上昇の仮説としてはいくつかあるらしく、それは番組のなかで解説されているのでご覧になってください。また、世界的には平年より冷えている地域も多い(暑い地域ばかりが報道されているので世界じゅうが暑いと勘違いする)ことも指摘しています。

さて、数十年のスパンで、夏の暑さについてCO2より影響度大きいのは、都市化だと杉山氏は整理しています。
すなわち、コンクリートとアスファルトが熱を貯めてしまう
都市部では夜もムワッと暑いのは、まさにコンクリートやアスファルトが昼間に熱を貯めまくっているからです。

一方で、田んぼや畑、雑木林が気温を下げる効果は大きいです。とくに田んぼ。都市近郊に田んぼがある程度あるだけで、かなり気温が違うことが分かっています。

そのように考えると、都市近郊の田畑を消し、どんどん開発をしていく現在の状況は、夏の暑さという意味でもかなりのデメリットがあると言わざるをえません。

私たち、都市農業を盛り上げようとする者は、温暖化によって作物が作りにくいことを嘆くだけではなく、都市化を止めるべきだという声を上げるべきです。

人口減少社会になっているのに都市の拡大を止めようとしない。そんな時代遅れの都市計画。
まったく変革される気配がありません。

暑さを低減させるには、CO2排出の抑制もさることながら、アスファルトとコンクリートがどんどん増えていく状況を止めないといけない。
そのためにも、「まちなか農業を次世代につなぐ」という私たちのミッションは大事だ。
そういう決意をあらためて強くさせる、この夏の暑さです。

菱沼 勇介(ひしぬま ゆうすけ)
プロフィール

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株式会社エマリコくにたち代表取締役。
1982年12月27日生まれ。
農地のない街・神奈川県逗子市に育つ。
一橋大在学中に、国立市にて空き店舗を活かした商店街活性化活動に携わる。2005年に一橋大商学部卒業後、三井不動産、アビーム・コンサルティングを経て、国立に戻る。NPO法人地域自給くにたちの事務局長に就任し、「まちなか農業」と出会う。2011年、株式会社エマリコくにたちを創業。一般社団法人MURA理事。東京都オリジナル品種普及対策検討会委員(2019年度〜2021年度)。

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