株式会社エマリコくにたち

拝啓、うまい!に背景あり

社長のBLOG

2018.03.24

アメフト経営試論その2~チームのこと

拝啓 東京農業を応援いただいている皆様

アメリカンフットボールからチームを考えるの回、ふたたび。

アメリカンフットボールは11人対11人で戦うゲームです。
ラグビーやサッカーと違って、野球やバレーボールのように時計が頻繁に止まります。
10秒足らずのプレーをやって、いちど止まって作戦会議(ハドル)、またプレーをして、そしてハドルをして、と少しずつ試合が進行します。

ひとつひとつのプレーにおいて、攻撃側はエンドゾーンに向かってボールを前に進めていくことを目指します。
では、どうしたら進めるのか?

11名対11名。
攻撃側も守備側も同じ人数なので、1対1で対応し、守備側が確実にタックルを決めると仮定すると、あまり進むことはできません。
逆に、ボールを持っている人(もしくはパスをキャッチする予定の人)が目の前の敵1名を抜くだけで、他の10名は味方の10名が抑えているので、大きく進むことができます。
アメフトは、単純化するとそういうゲームです。

このとき大事なのは、ボールを持っていない攻撃側の選手ひとりひとりが目の前の敵1人をしっかり無効化することです。この最低限の仕事ができるかどうかが大事になってくる。
もし守備側の選手を1名でも自由にさせてしまったら、ボールに向かえる守備の選手は2名になります。ボールを持って走る選手は2名を相手にすることになり、進むことは不可能になります。

守備側にしても同様で、1名が1名をしっかりマークし、必要なタイミングでミスなくタックルを決める。
そうすれば、大きく進まれることはありません。

目の前のことを、漏らさず、誰にも頼らずにしっかり処理すること、それがチームの構成員ひとりひとりができているチームは強いです。
ある個所に他の助けが必要となり、誰かがヘルプに回ると、本来その選手が守るべきところに穴ができて……
と、組織に混乱が生じてきます。

もちろん、ひとりで2名、3名と抜き去れる個人技を持つメンバーがいればいいのですが、逆にその人がいなくなったら脆いチームになってしまいます。

各自が、目の前の仕事をきちんとコンプリートする。
仕事でも同じです。
現実問題、仕事においてもアメフトにおいても、仕事を100%完璧にこなすことは難しいわけですが、100%は無理でもそれなりに高い確率で期待された仕事を完結させよう。
その高い意識が大事ですね。

なるべく助けを得ずにコンプリートしようという意識は、自己成長も呼びます。
各メンバーの高い意識を求めていきたい、と思います。

菱沼 勇介(ひしぬま ゆうすけ)
プロフィール

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株式会社エマリコくにたち代表取締役。
1982年12月27日生まれ。
農地のない街・神奈川県逗子市に育つ。
一橋大在学中に、国立市にて空き店舗を活かした商店街活性化活動に携わる。2005年に一橋大商学部卒業後、三井不動産、アビーム・コンサルティングを経て、国立に戻る。NPO法人地域自給くにたちの事務局長に就任し、「まちなか農業」と出会う。2011年、株式会社エマリコくにたちを創業。一般社団法人MURA理事。東京都オリジナル品種普及対策検討会委員(2019年度〜2021年度)。

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